2023年10月31日コンクリートの中性化

最近の仕事でコンクリートの劣化に関する調査を行う事があり、1か月で30本以上のコアの採取とハツリに立ち会いました。

これだけ数が多い事もあまりありませんが、耐震診断で行うコンクリートの中性化試験結果とは少し異なる以下のものが含まれていました。

(1).地下4階の階段前室(閉鎖空間~普段人の出入りがない)

(2).地下駐車場(排気ガス多い)

(3).一般建物の壁(火災経験あり)

正式な調査報告書はこれから提出されてくるのですが速報として結果を教えていただきました。

コンクリートの圧縮強度試験は設計基準強度以上あり、問題はなかった。

中性化に関しては(1)(2)共にかぶり厚程度まで中性化が進んでいました。

こちらはコンクリート表面にクラックもなく、水がかかる様な場所ではないので問題ないと判断されると思います。

(3)の中性化試験は火災を受けた壁(15cm厚)はコンクリートを9cmほどハツリ、フェノールフタレイン溶液を吹きかけました。

写真の様に上側が火の勢いが強かったため、色づかず中性化している。

この現象は500℃以上になってしまうとこの様な結果となると「建物の火害診断の指針(案)」に記載があります。

今回は鉄筋の発錆が確認されなかったので鉄筋の引張試験は行わなかったのですが、もう少し高い位置の梁においては再度調査するか判断が必要。

中性化してもコンクリート圧縮強度が問題なくクラックがなければ鉄筋の錆も問題ない事から耐震性に殆ど影響はない様ですので耐震診断・耐震改修において、対応を考えていきたいと思っています。

 

【我が家の近況】

朝晩が寒いと感じる事が増えてきた最近、我が家の猫たちはくっついて寝ています。

ひと月前の暑かったころの様子もどうぞ。