先日子供が伊豆の国市韮山の近くに住んでいる為、
訪れた事のない「江川邸」に行ってきました。
国道136号線より東に入った韮山高校の近くにある、
江戸時代代官を世襲し勤めてきた家であり
江川家の住居兼役所執務・その他塾等にも用いられていた歴史ある建物でした。
50坪ほどの大きな土間、4間飛ばしてある梁、茅葺きの小屋組にて勾配も大きく
何層にも材料が組まれており大きな小屋梁に荷重が伝達出来る様に施されていました。
梁仕口部は貫工法にて、楔により木の性質を利用した手間が施されて居ました。
大砲が置かれており、当時ペリーが下田に来航した際土産にと送られた物らしく
車輪等は当時のもので大筒は戦争時に鉄を没収されレプリカとなっているらしいです。
当時屋根は茅葺きだった様で下地の垂木は竹で組まれており、
小屋筋かいは竹にて斜め格子の様に組まれていたので
これが代わりでは・・・と思いました。
現在は銅板葺きとなっていました。
葺き替えの技術や費用等の関係だと思われます。
幕末に活躍された当時の当主の江川太郎左衛門英龍は日本で最初に
パンを焼いた人らしく当時の焼く釜が展示されていました。
戦の際の兵糧パンに用いる為焼いたそうです。
向かって見えるのは雨戸の様ですが縁側に弧の傷が有り、
恐らく戸袋自体回転し使用されたものと思われます。
表玄関から入口の門が見えますがここでNHKでの篤姫・西郷どん
の撮影に使われたそうです。
奥にある部屋はドラマ「JIN」で塾生に教えたり手術室になっていた様です。
米蔵だったらしく、屋根と外壁の間は隙間があり
風通し良く夏に熱が籠らない様工夫されていた様です。
屋根には樋が無い為流れ落ちた雨は下の砂利敷に落ちる様になっていた様です。
前述にありました江川英龍は、国指定史跡である韮山反射炉の築造にも関わられた方で
大砲・鉄砲(反射炉もその関連の一つ)の製造にも尽力された様です。
場所も沼津IC・新東名長泉沼津ICより伊豆縦貫道で南へ降りていけば
比較的行き易い史跡なので、お時間のある時に訪れてみては如何でしょう。